君がくれた。


机に片肘を付いて大河をからかっていた 私は、遊ぶのに満足しそう告げる。 すると大河は舌打ちしそっぽを向いたま ま、不満げな表情を浮かべ静かになった 。

慣れない環境で、知らない内に気を張り 過ぎていたのかもしれない。 その後も特に真面目に聞いていた訳じゃなかったけど、授業そっちのけで色々話しかけてくる大河の相手をしながら私は肩の力が抜けていくのを感じた。 そうこうしている内に時刻は昼休みとなり、お昼をどうするか考えているとやや強引に私の腕を掴んだ大河が、昼飯美味いモン食わせてやるよ、とかイイ笑顔で言ってきたので私はそれに甘える事にした。

「はぁ~…。いや、まあ何にせよ冬華が同じクラスで本当に良かったよ」

「…大河?」

「うちの学校、冬華も多少は聞いてんだ ろうけど……本当に色々面倒だから」

生徒が溢れ騒がしい廊下を二人並んで歩 きながら、少し声のトーンを下げた大河 に私は何も言わず黙り込む。 今朝康史も言っていた事だけど、私だっ て全く何も知らずにここに入学した訳じゃない。 私立穂積(ホズミ)高校。通称ホズ校は周辺の落ちこぼれも多く通う高校で、この辺一帯の族に入っている奴らは勿論、そうじゃなくても一癖も二癖もある連中が沢山通っている事で有名な高校だった。