奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

「お前さ、調子にのってんじゃねぇよ」



低く威圧的な声。


そう言えば純也は怒るといつもこんな感じだったな。



「本当の事を言っただけでしょ? 怒ったの?」



周りは賑やかなのに、私たちのテーブルだけが重い空気に包まれている。


強がった態度をとっているけど、本当は今すぐにでもこの場から逃げ出したかった。


膝の上でグッと握る手の中は汗が半端ない。



「俺の女に何か用?」



純也と睨み合っていると、知っている声がした。


驚いて顔を向け、彼を見て絶句した。



「あ? お前誰だよ」

「あんたに言う必要あんの?」



普段の話し方と全く違う彼の態度に更に驚いた。


どうしちゃったの!?



「あ、歩君……」

「やっぱりぃー!! モデルの歩だぁー!!ヤバっ! かっこいいぃ〜」



スーパー猫なで声に言葉を見事に遮られた。


突如目の前に現れた彼は、私のよく知る桃花様の彼氏の歩君だった。


私の中の歩君は知的で優しい人。


でも今目の前にいる歩君は何だが強気で俺様な感じ……。


本当に歩君!?