奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

「もしかして文美!?」



一人静かにコーヒーを飲んでいると、男性に名前を呼ばれた。


声のした方へ顔を向けると、一組のカップルが立っていた。


そのカップルの男の顔を見て、思わず固まってしまった。



「やっぱり文美じゃん!」



忘れもしないこの顔。


あの時の悲しみは何処へやら。


今では怒りしか込み上げてこない。



「純也(じゅんや)……」



まさか初めて付き合った彼と今更再開するとは思っていなかった。


高校の時から遊んでそうで女慣れした風貌ではあったけど、それ以上にチャラチャラしてるこいつは一体何なの!?



「誰ぇ? どぉいう知り合いー?」



そして同じくチャラッと軽い隣の女。


睨まれてる意味が分からない。



「高校の時の女」

「えぇ? こんなフッツーの女と付き合ってたのぉ?」



普通で悪かったわね。


それになんの?


その猫なで声!!


腹立つ。


あんただってその厚化粧とったらフッツーの女でしょうが!!