日下部さんが出て行ってボーッとしていると、春ちゃんが遠慮がちに声を掛けてきた。
「鍵、閉めとけよ」
そうだ……鍵……。
私は力なく頷き鍵に手を伸ばした。
その時ドアをノックされると同時にドアが開き、固まってしまった。
目の前にはさっき出ていった筈の日下部さんが立っていて驚いた。
「俺じゃない方がいいのは分かってるんだけど、滝沢さんまだ戻って来ないし、他の受付の子達は酔っ払ってて頼める子がいなくて……」
そう言って遠慮がちに差し出されたおしぼりを私は素直に受け取った。
おしぼりはひんやり冷たくて気持ちが良かった。
「水はここに置いておくから」
氷無しの水の入ったグラスを洗面台の上に置いてくれた。
「あの……」
私は出て行こうとした日下部さんを呼び止めた。
「有難うございます……」
恐る恐る顔を上げると日下部さんは何故だか笑って出て行ってしまった。
そして今度こそ私はトイレの鍵を閉めた。
「鍵、閉めとけよ」
そうだ……鍵……。
私は力なく頷き鍵に手を伸ばした。
その時ドアをノックされると同時にドアが開き、固まってしまった。
目の前にはさっき出ていった筈の日下部さんが立っていて驚いた。
「俺じゃない方がいいのは分かってるんだけど、滝沢さんまだ戻って来ないし、他の受付の子達は酔っ払ってて頼める子がいなくて……」
そう言って遠慮がちに差し出されたおしぼりを私は素直に受け取った。
おしぼりはひんやり冷たくて気持ちが良かった。
「水はここに置いておくから」
氷無しの水の入ったグラスを洗面台の上に置いてくれた。
「あの……」
私は出て行こうとした日下部さんを呼び止めた。
「有難うございます……」
恐る恐る顔を上げると日下部さんは何故だか笑って出て行ってしまった。
そして今度こそ私はトイレの鍵を閉めた。


