奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

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心地好いくらいの柔らかい風が吹き、私の前髪を微かに揺らす。


テラス席からの眺めはまさに絶景。


都会に沢山聳え立つビルの明かりが更にロマンチックな演出をしてくれている。


流石だとしか言いようがない。


我が社の敏腕広報部。


たかだか社内の飲み会の為に仕事のコネを使い、中々予約の取れない某有名ダイニングバーをすんなりと予約しちゃうんだから。


私と桃花以外の受付女子はもううっとり状態。


私は若干……いや、かなりひき気味だよ。



「もう帰りたいわ」



そうボソッと呟いたのは見目麗しの女王桃花様。


私も同意見。


だけどもう少し空気読もうよ。



「まだ乾杯して15分しかたってないじゃん」

「後どのくらい我慢すればいいわけ?」

「せめて後45分は我慢して」



あんなに私に行けっていってた桃花だが、自分まで巻き込まれた事にご立腹。


私以外は誰も気付いてないだろう。


女王様がご機嫌斜めだという事に。