奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

笑われる様な事してないんだけど……。


意味が分からないけど顔が見れない為、不思議に思いながらも顔を上げる事が出来なかった。



「ごめんごめん、噂って本当に当てにならないなと思って」

「噂、ですか?」

「こんなに親しみやすい雰囲気の人だとは思ってなかったよ」



親しみやすい……?


私が?


そんな事ないでしょ!?


私が固まっていると、更に可笑しそうな笑みを溢し始めた。



「もう1つの噂は本当みたいだね」



もう1つ?


いくつ噂があるのよ……。


まぁ、数えきれないほどだろうな。



「これ有難う。せっかくだから頂くよ」

「は、はい」



少しシワシワになってしまった紙袋を日下部さんに渡し、もう一度頭を下げた。


そしてまたしても笑われるしまつ。


もうヤダ……。


私は逃げるかの様に、そそくさと執務室を後にした。