奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

左手にラスクの入った紙袋を下げ、扉の前に突っ立て5分経過。


この扉を開ければ直ぐ目の前には広報部の島がある。


お礼を言ってお菓子を渡すだけじゃんっ。


大丈夫だよっ。


それに居るかも分かんないし!!



「いつまでそうしてるつもり?」

「会社で話しかけてこないでよッッ。周りの人から見れば私の独り言なんだから変な目で見られるじゃん」



今はたまたま廊下には人がいないけど、いつどこから人が現れる分からない。



「そこにそんな切羽詰まった顔でずっと立ってる方が変な奴だろ」



えっ!?


私そんな顔してた!?



「お前自覚なかったのかよ?顔色もわりぃし……そんなに嫌なら止めとけよ」



常識ある人としてそれは駄目でしょっ。


私は深く息を吸い、吸い込んだ息を静かに吐いた。


そして扉のセキュリティーを解除し、ドアノブに手をかけた。