奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

私は鞄の中から携帯を取り出しメモ帳を開いた。


メモ帳に文字を打ち終わり車内の人に気付かれないよう、キッと雄を睨み付けた。


私の睨みに気が付いた雄と目が合った。


怒りって凄い。


雄と目を合わせても吐き気に襲われないんだから。


私の目の前に浮かぶ雄に見える様に携帯を傾けた。



“ここ女性専用車両なんだけどっ!!”

「だから?」



こいつ馬鹿なの!?


朝話したばっかりじゃん!!



“人間が出来ないことはしないでって言ったはずだけど。この時間はこの車両は人間の雄は立ち入り禁止よ”

「雄って……。そんなんだからいつまで経っても男できねぇんだよ。可哀想に……一生結婚できねぇな」

“余計なお世話っ!!”



あんたに同情される筋合いないから!!



“さっさと違う車両に移ってよね”

「あーあ、口うるせぇ女」



はぁぁぁ!?


誰のせいだと思ってんのよ!!


マジ腹立つ。


雄の偉そうな背中が見えなくなるのを確認し、私はの心はやっと落ち着いた。


朝から疲れるよ……。