奇妙な関係 ～オスとワタシの奮闘記～

いつもよりも汗をかいた分、車内が涼しく感じる。


でも調子に乗って薄着のままでいると風邪ひいちゃうんだよねぇー。


夏場でも室内様にちょっとした時に羽織れる薄手の上着を持ち歩いているから、荷物がかさばってしょうがない。


いらないかと思って家に置いてきた日に限って、お店だったり電車の中が極寒だったりする。


窓に頭を預け気持ちよく揺られていたのに、目の前の光景に私の神経は一気に総立ちした。


新聞を広げている女性の隣でちゃっかり新聞を覗き読みしている雄1匹……。


何でいるの！？


驚きと怒りで目の前にいる雄霊に今すぐにでも文句が言いたかった。


でもそんな事をすればこの電車を降りる羽目になる。


周りに見えてないのにそんな事したら不審者確定じゃん……。


車内にいる人は誰1人知った人はいないが、ほぼ毎日電車で顔を合わせているせいか、顔馴染みの様な変な関係が築かれつつあった。


その為今ここでやらかせば、明日からは気まずくて電車の時間をずらさなければならなくなる。


喉まで出かけている言葉をグッと呑み込んだ。


何で私が我慢する側なのよ……。