奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

手を振り払おうにも、強く握られていて振り払う事が出来なかった。



「ワタアメ」

「え?」

「ワタアメ元気かよ? 俺はこの先も春美なんてダセェ名前で呼ばねぇからな」



春美ちゃんの事をワタアメって言ったのは春ちゃんだけ。


それは私と春ちゃんしか知らない事。



「本当に……春ちゃんなの?」

「しつこいっつーの。 どっからどう見ても俺だろうが」

「だって……っ、あの日消えてっ、いなくなっちゃったじゃんっっ!」

「あー……なんか俺死んでなかったみたい」



『あははっ』と笑っている春ちゃん。


はぁ!?


どういうこと!?



「んな怖い顔すんなよ。 ちゃんと説明すっから」

「当たり前でしょ」



あれだけ悲しんで、今でも寂しくて泣いてたっていうのに何これ!?


生きててくれた事は嬉しいけど……嬉しいけどさ!!



「行くぞ」

「行くぞって何処に!?」



パーティーホールと反対側に行こうとする春ちゃんは、きょとんとした顔をした。



「何処って……二人でゆっくり話せるところに決まってんだろ」

「挨拶くらいしないとヤバイでしょ! それに桃花にも一言いっておかないと……」

「確かに、桃花には言っといた方がいいな」

「ちょっ!?」



春ちゃんは私の手を取り、躊躇する事なくパーティーホールの中へ足を踏み入れた。