奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

視界がボヤけていく。


顔を窓の方へ向け、外を見た。


窓ガラスに映る日下部さんと視線が絡む。



「ありがとう」



日下部さんの思わぬ一言に、驚いて振り返った。


直ぐそばにある日下部さんの顔。


こんなに近くで見たのは初めて。


改めて思う。


男らしく整った顔立ちだと……。



「それは前よりも俺の事を考えてくれている証拠だろ? そう思と嬉しいよ」



日下部さんには敵わないな……。


こんな自己中女に今でも笑顔をくれる。


自分が恥ずかしい。



「ゆっくりでいいよ」

「日下部さん……」

「でもあんまり待たされてると、襲ってしまうかもしれないな」

「く、日下部さん!!」

「あははっ、冗談だよ」



もう!!


冗談に聞こえないよ!!


でも、日下部さんの一言で一気に場が和んだ。



「この辺りでよろしいですか?」



運転手さんに声を掛けられ外を見ると、もう家の前だった。



「あ、はい! ここで一人降ります」



後部座席のドアがひらき、私は一人外に出た。



「日下部さん、送って下さってありがとうございました」

「今日はありがとう。 楽しかったよ」

「こちらこそありがとうございました。 お花、部屋に飾りますね。 じゃあ、おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」



日下部さんの乗るタクシーを見送り、私は家に入った。