奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

実際触れられてるわけではないのに、日下部さんの温もりを感じるのはどうしてだろう。



「俺は鈴川さんの事が好きだよ」

「く、く、日下部さん!?」



驚きぱっと顔を上げると、初めて見る日下部さんの照れた顔があった。


その顔を見ただけで、真剣に言ってくれてるんだなと思った。



「俺との事、考えてくれないかな?」

「あの……私……」



春ちゃんの顔がチラつく。


そばにいないくせに私の心と頭の中を支配している春ちゃん。


私がどう思うか、どうするかなのに、今この場に春ちゃんが居たら、私になんて言葉を掛けたかなって考えてしまう。


日下部さんの申し出にオッケーしろって言うかもしれない……。



「私……」



その言葉の続きが出てこない。


何て言えばいいんだろう。


どうして断ろうとしないんだろう。


自分のことなのに、わからない。


日下部さんと一緒にいることを選べば、春ちゃんはずっとそばにいてくれる。


そんな最低な考えが脳裏を過る。



「返事は待つよ」

「え……?」

「急な話だし、気持ちを整理したいだろう?」



日下部さんはこういう人。


今思えば、いつも私のことを一番に考えてくれていた。