奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

その日は異様に疲れが溜まっていたのか、家に帰り部屋に着くなりベッドに倒れこんだ。



「おーい、生きてるかぁ?」

「それ春ちゃんが言うと洒落になんないから……」

「それもそうだな」



私の頬に擦り寄ってくる春美ちゃん。


動くたびに首についている鈴がチロチロと可愛らしい音を立てる。


私はベッドに座り春美ちゃんを抱き上げた。


腕の中で大人しくしている春美ちゃんは我が子のような存在。


子供産んだ事ないから、実際子供がどういう感じなのかは知らないけどさ。



「元気ないじゃん」

「……今日嫌な奴と会った」

「また元彼と会ったのかよ!?」



それも嫌だけど、それ以上に会いたくなかったかもしれない。



「春美ちゃんの事虐めてた高校生三人組覚えてる?」

「忘れるわけねぇだろ」

「そのうちの一人と会った」

「マジかよ!? 顔面に一発くらい喰らわせてやったんだろうな!?」



私は首を横に振った。


私の髪の毛が春美ちゃんの顔に触れ、春美ちゃんは小さく猫パンチをしている。