奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

広報部で人気のある日下部さん。


まさか自分がそんな人とこうして話をする事になるとは、思ってもいなかった。


人生どこでどうなるか分からないな。



「今月どこかで飲みに行かない?」

「……いいですよ」

「本当? あー良かった」



大げさに胸を撫で下ろす日下部さん。


つい笑ってしまった。



「笑い事じゃないよ、断られたらどうしようか内心ビクビクしてたんだから」

「日下部さんがですか?」

「鈴川さん、食事の誘いをことごとく断ってるだろ?」



そんな事まで知ってるとは……確かに、行く気が無くて迷うことなく全部断ってる。


メモに関しては返事すらせず、見てもないかのごとく知らないふりをしてる。



「だから少し断られるのを覚悟してた」

「日下部さんは知らない人じゃないので……」



これじゃまるで「知らない人について行っちゃダメよ」っていう、小さい頃にお母さんに言われた事を今でも守ってるみたい。



「知人から友人に昇格できるように頑張るよ」

「え、あのっ、私が友人なんて言うのはおこがましいかなと思って……」

「欲を言えば、友人の更に上の上を狙ってる」

「え……?」

「引き止めてごめんね、連絡するよ。 帰り気をつけて」



会社に戻っていく日下部さんの後姿は堂々と爽やかだった。


友人の更に上の上って……お、お、お、奥さん!?


今にも爆発しそうな頭を抱え、私は何とか家まで帰った。