奇妙な関係 ~オスとワタシの奮闘記~

桃花が帰り、部屋の中は一気に静かになった。


『夕飯食べて行けばいいのに』と言ったら歩君と約束してると言われた。


歩君は仕事が特殊でその上忙しいから中々会えないみたい。


私はこうしていつも一緒にいられるけど、桃花はそうじゃない。


桃花でも寂しい……とか思ったりするのかな?



「何だよ」

「別に」



顔を見ていたら、気付いた春ちゃんは眉間に皺を寄せた。


春ちゃんは幽霊で私は生きてる人間。


私は死んで幽霊になったら、またこうして春ちゃんと一緒にいられるのかな?


んー……でもそしたら、私はおばあちゃんで春ちゃんは今の若い姿のままって事だよね?


それはちょっと嫌かも。



「私が急にいなくなったら寂しい?」

「何だよ急に」

「ふとそう思っただけ……どうなのよー」

「……寂しいって言うよりはつまんなねぇかもな。 ま、その前に何処にも行かせねぇよ」

「自分は何処でもかんでも行くくせによく言うよ」



私はぷいっと顔を背けた。


不貞腐れたとかそんなんじゃなくて、春ちゃんの言葉に照れてしまったから。


きっとだらしのない顔になってる。


そんな顔見せられるわけない。


『何処にも行かせねぇよ』……その言葉がどうしようもなく嬉しくて、胸の奥でキュンっと音を立てた気がした。