音をたてないよう家に入り、足音を忍ばせ人影に近寄る。

ーーー私が泥棒みたい。

複雑になりながらも、覚悟を決めて。
・・・竹刀を振りかざした。
「てやあああああああぁぁぁぁあああああッッッ‼‼‼」
「痛いッ‼いたたたたっ血ィ出てきた!ちょっ君ー!酷いよっ」
「え」
色々な疑問が湧く。
その男は泥棒のくせにタメ口で。
コスプレみたいな格好で。
そして何より美しかった。

サラサラの金髪も、透き通った紫の瞳も、全てが麗しい。

・・・泥棒相手に、危うく拝みそうになった。