「はっ! はぁぁぁあああああっ!」
夕暮れ時の英竜高校のとある部室に、大きな叫び声が響く。

私は今沢呉奈。ここ英流高校で、剣道部の主将をしている。

主将とはいっても、部員は私含めて4人しかいない。
「よっす!相変わらず気合入ってんなーっアハハハハ」
こいつは弓河大樹。3年間部活をしてきたけど、この男が真面目に練習する
姿を今まで見たことが全くない。
「なあ、後輩ちゃんは今日いないの?あの、石野チャンだっけー!」
「西野さんですよ!人の名前くらい覚えなさいっ」
・・・毎日毎日何なのこいつは。
「お前みたいな変チクリンな名前だと覚えやすいけどさー!何だよクレナって!
変な名前だなぁーっ!!アッハハハ!!」
「帰る」
「ちょっごめんごめん!いいじゃんクレナって!超スバラシイ名前だと思うよっ」
慌てる弓河を放置して急ぎ足で帰宅する。