「……花音?」


「はっ…!」




名前を呼ばれて、やっと我に返った



気づくと女の子達はもうどこかに行っていて



「お前、なんでここに居るわけ?」


「え、あ……その……たまたま!たまたま通りかかったの!」




素直じゃない私の性格は、未だに健在みたい



そして


「嘘つくな。ホントのこと言ってみろ」



それをあっさりと見抜いてしまう朔弥



「な、なんでもないってば!」

「なんでもないわけあるか。ほら、言えよ。言わないと……」




朔弥は私の耳元で囁いた



「言わないと、この間みたいにキスするぞ」



その言葉に、私の顔がボンッと赤くなった




「い、言います!言います!」




こんな人が多い所でキスなんて無理!




「ほら、言えよ」




朔弥は私の両手首をつかんで逃げられないようにすると、至近距離で私を見つめた



近い!近い!