「あたし、凌とずっと一緒にいたのに、凌のこと何も知らないっ……あたしの知らない凌が、どんどん増えていくのっ…」



怖い


怖いよね



自分の知らない彼が増えていくのは…


どんどん自分から離れていってしまう気がして



怖くて、不安で…


悲しくて、苦しい…




「うー……ひっく…」




私は、泣いている百合の背中を撫でてあげることしかできなかった