俺だけのお姫様

「まゆー?」

あれ、まゆがいない


「優まゆみた?」

「え?いないの、知らないよ」

「まゆちゃんならあそこにいるよ?」
「長澤君? あ、ほんとだ。」

そのとなりでは、なぜかまゆの顔を見つめる若葉がいた。

あぁ、なんだ全部私の勘違いか。

態度的にうぬぼれてたのかもしれない。
若葉が私を好きだって・・・

「うう。いざ気持ち知ってから見るとつらいな・・・」

ひゅっと腕を引っ張られて廊下にでた。

「・・・沢田君」

「ね?わかったでしょ平沼先輩はまゆが好きなんだよ。」
「あ、っはは」

「だから、俺にしなよ。」

やだよ、せっかくきもちに気づけたのに。

「いいや、私若葉が誰を好きであろうとあきらめないよ」

「ふーん、まぁいいや、姫先輩のそうゆうとこも含めて好きになったんだし」

「何告られてんの、姫」
「わ、かば?」

「はぁ、これだから姫はいくよ?」
いい、いいそっとしといてほしい。

今はきつい、つらいよ若葉のやさしさが。

「いいよ、平気。若葉はちゃんと自分の好きな人の心配しなよ?ね」

「何言ってんの?第一俺の好きな人は「まゆでしょ」

ほんと、わかってる。つい若葉本人から聞きたくなくて
塞いでしまうけど。

今は聞きたくない。てのかかる幼馴染でごめんね?

「違うから。」
「何が違うの?」

ついけんか腰になる


「俺今まで姫のことわかってるつもりだったけど、今、わかんねぇよ。姫はなにを考えてるの?」

「言えないよ。言ったら若葉と幼馴染でいられなくなる」

とにかく、若葉には本当に好きなまゆとつきあってほしい。

「優聞いてくれる?」

「ひ、姫?どうした?」
それから、私が若葉を好きなこと、うぬぼれてたこと、
それが勘違いだったこと、さっき若葉と喧嘩したことを話した。

「ふーん姫のくせに頑張ったじゃん。」
「でしょ?」
精一杯の作り笑い