「起きた?体調は平気?」



先生が隣の子に問うと、



「あ・・・はい。」



というかわいい声が聞こえた。





あ、女の子なんだ。




「そう。よかった。


それじゃあ、2人で教室に戻りなさい。

もうそろそろ1限目も終わるだろうし。」




もう10分経つのか。


校長先生の話も、このくらいにならないのだろうか。


カップラーメン10個分の校長先生の話って何だ。





「毎年毎年倒れる子見てると結構辛いわ。
今度校長先生に話してみようかしら。」


独り言か、私達に言っているのかわからないけど



長話を止めてくれ、と言うのならば、





「是非、今日、お願いします。」




声に出てしまった。




数秒、2人の視線が私に向いた。




そしてすぐにクスクスと笑い声が聞こえた。



「ふふふ。そうね。
今日、校長先生に話してみるわ。」




「あ・・・なんかすいません。つい・・・。」




「いいのよ。
私も長話にはうんざりしてたし。」




教職員にまでうんざりさせるとは・・・



長話攻撃恐るべし。






チラッと女の子の方を見てみると、



こちらもクスクス笑っていた。




笑った顔可愛いなー。


私も小さい頃は可愛く見せようと、フリフリのワンピースとか着てたな。



今では可愛いの「か」の字もないけど。





キーンコーンカーンコーン



「1限終ったみたいね。

休み時間のうちに戻っちゃいなさい。

授業中だと嫌でしょ。」



確かに授業中に入るあの恥ずかしさは嫌だ。


みんなの、あのなんとも言えない視線ときたら。




「「はい。」」



綺麗に私達の声がハモり、どちらからともなく顔を見合わせ微笑んだ。




それを見た先生も微笑み、



「今度また長話で倒れちゃったら、愚痴でも聞いてあげる。」



と言ってくれた。



それを聞いて再び微笑み、私達は保健室を後にした。








そういえば今頃、戦友達はどうしてるだろうか。


あいつらの事だから、ちゃっかり新しい友達とかつくってるんじゃないか。



そしたらタイキックの刑だな。






などと考えながら、

私のクラス、

1年6組へと向かう。