カタチのないセカイの為に


優潤は、飲んでいたアイスティーを
テーブルの上に戻した。

「ああ。覚えてるよ。」

理子は、記憶を辿るように口を開いた。

「一緒に、手紙を書いたでしょ?

その後、植木屋さんに行って、
花を買ったのは、覚えているのだけど、

渡した記憶が無いのよ。」

優潤は、片手で頬杖を突いた。
「ああ。俺も、渡した記憶は無いよ。
渡してないから。」

「ええー!!
買ったのに、渡してないの?」
理子は、優潤の顔をマジマジと観た。

あの夏。
確かに、私達三人は、仲良しだった。
親同士も、仲が良かったわ。

なのに…  何故…?

「あの日は、渡せなかったんだよ。」




(昔の話)

『みさちゃん』とこの街で会える最後の日。


理子の別荘で、
『みさちゃん』への手紙を書いた後、

理子の母と理子、俺で、
植木屋に行って、プレゼントを買った。



この頃の僕達は、

『みさちゃん』の影響を受けていたのか、
『みさちゃん』に教育されていたのか…。

子供のように、はしゃげる様になっていた。