キミと僕の共同生活はいたってシンプル。

僕はあちこち外を出歩いて、キミもあちこち外へ出歩く。

夕方には二人で夕食を。

キミはフカフカのベッドで寝て、僕は床でふわふわの毛布に包まる。

時々キミは、写真たてを眺めて悲しい目をする。

どうしてだい?

そんなこと、聞けるはずがない。

僕の視線に気づいたキミは、弱弱しく笑うんだ。

「大丈夫。なんでもないのよ。」

そんな日は決まって、僕とキミは抱き合う。

僕の温度はキミよりも少し高くて

キミはそれが心地いいと言う。

僕は知っている。

あの写真たてに映る男は、キミの想い人だ。