恋のお時間。

―春。あたしがこの田城高校に入学して、2度目の春が訪れた。

都築 菜奈(つづき なな)、今日から高校2年生です!


「ふぁ~。眠いなぁ。。。」

「菜奈ぁー!おっはぁー!」


学校前の坂を歩いていると、後ろから声をかけられた。


「有希!おはよ!まったく…君は朝から元気だねぇ…」

「当たり前じゃん!今日から新学期だよ!菜奈、また同じクラスだと良いねっ!」

「うん!」


この子は加藤 有希(かとう ゆき)。いつも元気で、とっても明るい。

有希とは高校に入ってから仲良くなった。何でも話せる、あたしの親友!


「あっ、菜奈!クラス表貼り出されてるよ!見に行こう!」


そう言うと有希は勢いよく坂を駆け上がって行った。


「あっ!ちょっ、有希ー!待ってよぉー!」

「早く早くー!」

「んもぅ…」


あたしが坂を上がりきったとき、有希はすでにクラス表の前にいた。