今日は、卒業式。


大好きな、先輩の。



「…っ…先輩!」




少し潤んだ瞳、それがとても綺麗で。
思わず見とれる私に先輩が首を傾げる。



「……せ、んぱいの…だ、第2ボタン欲しいです…っ…」




先輩は恥ずかしそうに頭をポリポリとかいた。




こんなんでよければ、と。


私の手のなかに輝くボタン。
遠ざかる、大きな背中。



大好きな背中に小さく呟いた。



「先輩…好きです…。」





私の精一杯の告白。


聴こえたのかどうかはわからないけど、


一瞬振り向いた先輩。



また、頭をポリポリとかいて、


笑顔で手を降ってまた、


歩きはじめた。