夏樹君が、何で目をそらしたかは、分かった。 けど、 "俺だけの気持ち" ってなんだろう? 紙とペン無いかな? 夏樹君に、目で聞いてみよう。 「夏樹君、夏樹君、紙とペン、持ってない?」 「あるよ。はい。」 私は、その紙にこう書いた。 "さっき言ってた、俺だけの気持ちって何?" 書いた紙を、夏樹君に見せたら、夏樹君の顔が、真っ赤になるのが分かった。 夏樹君は、ゆっくりゆっくり、口を開いた。 「あのな………」