ドライヴ〜密室の教習車〜

   〈2〉

「じゃあ、つまり。その凶器を仕込むことが出来た人が、犯人の可能性があるってことですよね」

「まあ、そりゃそうなるな」


 私は少し考えてみた。

 事件が起こったのは三時間目。
 凶器を仕込めるのは、当然その前になる。


「事件が起こったのは三時間目。凶器を仕込めるのは、当然その前になる」
 そう言ったのは、篠さんだった。

「ちょっとちょっと、私と全く同じ事考えないでくださいよ」

「二時間目もその教習車は教習に使われていたんだろうな?」

「……私達にはそれぞれ担当の車両があるんです。私は22号車。文ちゃんは26号車。文ちゃんは二時間目も教習だったので、当然26号車が使われたはずです」

「前の教習が終わり、次の教習が始まるまでの時間は約10分だな?」
 
 篠さんが間髪いれずに質問してくる。