ドライヴ〜密室の教習車〜

 私は思った。

 何か、私達に伝えたいことがあるのだろう、と。

 
 実際、彼女はゆっくりと重たそうな口を開いてくれた。

「田中さん。と、篠さん。……村上くんのことだけど」

 私は、相槌をうった。


「高校の時はね、結構明るかったんだよ」

「……そうなの?」

「うん。でもね……付き合ってた彼女が事故で亡くなっちゃって。その時から変わっちゃったの」


 事故。交通事故。

 私にとって、決して軽視できない問題だ。
 また、私が教習指導員を目指すきっかけとなったのも《交通事故》だった。


「……そうだったんだ……」

 私は、あまり上手に言葉を見つけられなかった。