ドライヴ〜密室の教習車〜

   〈2〉

「すみません、遅くなって」
 息を切らしながら、相川くんが慌ててこちらに来る。

「大丈夫だよ。こっちこそごめんね」

 私が言うと、相川くんは乱れた髪も気にせず、今にも泣き出しそうな顔で悲痛な声を上げた。



「田中さん……ホントに隆志、死んじゃったの?」



 相川くんの言葉が、私の頭にガン、と響いた。

 私は、村上くんの死をまだ完全に信じきれていなかったのかもしれない。

 無意識に、あやふやな言葉を選び、現実から目を背けようとしていたのか。

 事件のことを調べているくせに、自分の矛盾ぶりに腹がたった。

 そして、すごく切なくなった。