ドライヴ〜密室の教習車〜

   〈4〉

 私達が事務所に行くと、弥生ともう一人の事務員と事務の課長しかいなかった。
 私の顔が見えると、弥生はカウンターから飛び出してきてくれた。

「和紗!」

 事件があってすぐ、弥生とは話した。
 ……いや、正確にいうと、彼女は泣きじゃくっていてほとんど会話にはならなかった。
 
 とりあえずその時よりは、幾分落ち着いたようだった。
 相変わらず、その顔は真っ青だが。

「……弥生。警察の人は?」

「さっきまでここにいて、いろいろ聞いたりしてたけど。今はアドバイザー室に行ったんじゃないかな」

 弥生は、そう言い終えた後、視線を私の隣に移した。
 篠さんに、移した。

 すると、心なしか、弥生の表情が明るくなったように見えた。
 
 だから一瞬、私は篠さんと一緒にいることをからかわれると思った。
 けど、違った。