ドライヴ〜密室の教習車〜

 篠さんは、いたって真面目な顔でそうのたまった。
 どの面下げてそんなことを。


 かなりびっくりしたが、私はいつもの調子で言った。

「何言ってんですか。そんなこと言うんだったら、もっと頻繁に教習のスケジュール入れて会いに来てくださいよ。この調子じゃいつまでたっても上達しませんよ」

「俺は大丈夫だ。センスがあるから」

「ねえよ」


 なぜか自信満々な篠さんに、私は私なりの《アドバイス》で応えた。



 窓から、風が吹いた。
 心地よいその風は、私の髪を優しく撫でてくれた。

 篠さんは、また私のことを見ていた。