ドライヴ〜密室の教習車〜

   〈5〉

「ところで、なぎさん。ずっと気になってたんだが《ブレーキランプ》について、教えてもらえるか?」

「はい。村上くんは、いつナイフが飛び出すかわからない状況で運転していたんです。だから、自然とブレーキペダルに足を乗せる回数が増えてしまったんでしょうね」

 いくら死を覚悟して、望んでいたとはいえ、やはりそれは恐怖だったろう。


「なるほどな。なぎさんならではの視点で、彼が自殺だと気付いたんだな」

「篠さんは、やっぱり可能性からですか?」

「ああ。消去法で導いた。あと、松山さんが言っていた《当日、村上さんが冷凍庫を借りた》という話も重要だったな。彼が凶器を教習ギリギリまで保管してた、ということだろうな」

「そういえば言ってましたね。篠さん、さすが本職ですね」

 私が褒めた(?)のが珍しかったのか、なぜか篠さんは顔を赤くさせた。

 なんだ、かわいいとこあるじゃん。