ドライヴ〜密室の教習車〜

 篠さんなりに、タイミングや空気を気遣っているようだ。
 だんだんわかってきた。


 私は、自然な、素直な気持ちで話した。

「与田さんとはあれから話してません。教習も、レッドカードを出されたみたいで、担当をすることはなくなりました」


 そうか、と篠さんの低い声。

 この響き方。

 あの時を思い出す。



「今はまだ、私も、彼女自身も《与田里子》を全然理解しきれてないんだと思います。でも、いつかもう一度ちゃんと向き合えたらなって思います」

 私を細い目で見つめて、篠さんが口を開く。