ドライヴ〜密室の教習車〜

「篠さん、冷たい飲み物ください」

「ペットボトルの水と、水道水とどっちがいい?」

「……ペットボトルの水で」

「わかった、じゃあ昨日の水道水な」

 このやろう。
 何のために、ペットボトルにわざわざ水道水を入れてるんだ。

「やっぱり今日の水道水にしてください」

 私は、上着を脱いで半袖になってからソファに座った。
 自分の左脇に上着や荷物をまとめている間に、篠さんがコップに入った今日の水道水を持ってきてくれた。

 私は一気にそれを飲みほした。
 思った以上にのどが渇いていたらしい。

 ふと自分の、長い直線的な髪が邪魔でイラッとした。
 手を肩の上から後ろに回しそれをまとめると、右の前側へと流した。

 首筋に一筋汗が流れたのを感じた。