ドライヴ〜密室の教習車〜

「その時は、里卯さんを刺したナイフで、そのまま村上くんは自分も刺すつもりだった」


 いつのまにか里子ちゃんは、まるで別の人格にでもなったかのように、すっと表情を抜き取っていた。

 先程までの幼さ、あどけなさが感じられない。 


「私は、里卯さんのこと良く思ってなかったから、別にそれでも良いと思った……」


 純粋さと、残酷さ。

 その両方を持っている彼女のことが、異常に思えた。

 そして《その両方が犯した罪》。


 怖い。怖い。   怖い。


 私の全身の皮膚に、電気のような痛みが走る。



「村上くんも。私……あんな村上くんなら、いらなかった」



 少し、意識が飛んだ。