君に夢中で恋してる*


「日向君、あのっ…解いてみたんだけど、答え…これでいいかな?」


ノートを俺の方に見せながら、自信なさげに聞く椎名。


そんな彼女に、笑顔で頷いた。


「完璧。椎名って、飲み込みが早いよな。」


「そ、そんなことないよ!日向君のアドバイスのおかげ…。」


「俺の…?」


「うん!丁寧で、すごく分かりやすいから…。授業は…先生のペースが速すぎて、なかなかついていけないんだ…私。」


「あー、確かに…。あの先生、どんどん進めていくもんな。」


黒板に黙々と書いて、ササッと説明して、書ききれなくなったら、端からどんどん消していく。


俺も先生の授業スピードが速くて、ノートに写しきれないことが多々あるぐらいだ。


授業についていけない…っていう椎名の言葉、よく分かる。


心の中で共感していると、彼女が恥ずかしそうに頬を赤く染めながら、口を開いた。


「でも、今日は…数学の勉強がじっくり出来たし、苦手意識も薄くなった気がする…。日向君、勉強…教えてくれて、あっ…ありがとう…。」