君に夢中で恋してる*


……………。


俺、何考えてんだよ。


椎名は、本当に景色を見てただけなのかもしれないのに…。


ちょっと、詮索し過ぎじゃねぇか?


苦笑いしながら頭をクシャッと掻いた。


「日向君、どうしたの…?」


急に黙り込んでいたせいか、椎名が不思議そうに首を傾げる。


「いや、何でもないんだ…。数学の勉強、始めるか…。」


そう言って、彼女に微笑んだ。


あれこれ考えるのは、これぐらいにしよう…。


勉強に誘ったのは俺だし、椎名が苦手な数学を克服できるよう、力を尽くさないとな…。


心の中で意気込みながら、椎名と一緒に数学の勉強をスタートさせた。