「夏綺の人気っぷりには適わねぇって!それより…」


碧は不思議そうに首を傾げた。


「さっき、女子に囲まれてた時、誰か捜してなかったか?」


「え?」


「なんか、辺りをキョロキョロ見回してただろ?あれは明らかに誰かを捜してたよな?」


「…………。」


碧のヤツ、女子たちに囲まれて楽しそうに話してたのに、そんなところを見てたのか…。


「別に、お前に関係ないだろ。」


「あっ、何だよ…その素っ気ない態度!隠すところを見ると怪しいな。もしかして、気になる女の子でも居たとか…?」


その言葉に、ドクンッと心臓が大きく跳ねた。


気になる女の子…か。


確かに、椎名のことは出会った時から、少し気になっていた。


昼休みに二人で話して、もっと彼女に興味が湧いた。


そして、さっきの試合中…。


頭の中に、自分がシュートをした時の光景が浮かんだ。