「そうなんだ…。あっ、ところで…椎名は何の部活に入ってるんだ?」
「わ、私っ…?」
「ああ。知りたいな…と思って。」
まさか、自分のことを聞かれると思ってなくて、瞬きを繰り返した。
「私は…えっと、帰宅部なの…。料理とか裁縫が好きだから、そういう部活があれば…と思ったんだけど、私が入学する一年前ぐらいに廃部になっちゃったみたいで……。」
他に“これ”と言える部活が無くて、どこにも入部しなかったんだよね…。
「そっか…。でも、料理や裁縫が出来るなんて、すげぇじゃん!」
「えっ?」
「俺は、そういうの苦手だから、出来る椎名はすごいな…って思うよ。」
“すごい”だなんて言われちゃうと、照れくさいけど…
嬉しいな…。
少し頬が緩んでしまった。


