君に夢中で恋してる*


「えっ、日向君…?」


突然のことで、驚いて固まる私。


ドクンドクンと波打つ鼓動が、手首から日向君に伝わってしまいそうだ。


「ケガのこと…心配してくれて、ありがとう。椎名は優しいな。」


「えっ、あの…」


「あと、俺が他の部活をカケモチしてることを知ってたのにはビックリした…。椎名は俺のこと、色々と知ってくれてるんだな…。」


その言葉に、体中がカアッと熱くなる。


「そそっ、そんなこと無いよ…。たまたま知ってただけ…。」


入学したばかりの頃、日向君が休み時間に、男の子たちと部活の話をしてるのを聞いたんだよね…。


自分の席に座ったまま、こっそり聞いてた。


あの時、全神経を耳に集中させていたっけ…。


好きな人のことは、どんなことでも知りたいと思ったから…。