瞬く間に視界が歪んで、温かい雫が頬をつたったかと思うと…
堰をきったように、一気に涙が溢れた。
「椎名…!?」
日向君は慌てた表情で私を見つめる。
「泣かせたりして、ごめん…。俺がもっと早く告白していれば、今日…椎名に嫌な想いをさせずに済んだのに…。」
申し訳なさそうに謝る日向君に、私はフルフルと首を左右に振った。
「ううん、そうじゃないの…。私…嬉しくて涙が止まらないだけだから…。」
「えっ…?」
「だって、入学式の日から、ずっと好きだった日向君に“好き”って言ってもらえたんだもん…。こんなに嬉しくて幸せなこと…ないよ。」
「入学式の日…?」
瞬きをしながら驚く日向君…。
その姿を見た私は、顔が急激に熱くなっていくのを感じた。
私ってば、高ぶってる気持ちを勢いにして、ついに“好き”って言っちゃった…。
しかも、入学式のことまで口にしちゃうなんて…。
ひゃああ…。
心の中で叫んでいると、日向君は、私に少し顔を近付けてきた。


