うぅ…。


日向君の顔…まともに見れない…。


暫く俯いていると、美波がツンツンと私の腕を突いた。


「ねぇ、日向君…なんだかこっちの方を見てるよ?」


「えっ…?」


チラッと美波を見ると、ニンマリとした不敵な笑みを浮かべていた。


「もしかしたら、星愛のこと…見てるんじゃない?」


「えぇっ!?」


予期せぬ美波の言葉に、目を見開いてしまった。


私のことを見てる…?
日向君が…?


………ないない。


それは無い。


心の中で即座に否定の言葉を繰り返した。


「き、気のせいじゃないの…?他の人を見てるんだよ、きっと。」


「いや、星愛を見てるっぽいよ?“昨日の女の子だ”なんて思ってるんじゃないかな。」


「そ、それは考え過ぎのような気がするけど…。」


「ほら、嘘だと思ったら…星愛も日向君を見てみなよ。早く早く!」


強引に促す美波に負けた私は、俯いていた顔を上げて、おそるおそる日向君の方に視線を向けた。