「会話も出来て良かったねっ!これで一気に日向君とお近付きになれたんじゃない?」


「ななっ、何言ってるのよ…!ありえないよ、それは。」


私は、ブンブンと首を横に振った。


日向君には、あれだけ迷惑かけちゃったもん…。


疎遠になることはあっても、お近付きになんかなれないよ…。


ますます沈んでいく気持ちに肩を落としていると…




「おはよう!」


明るい声が教室に響く。


入り口の方に視線を向けると、爽やかな笑顔で中に入って来た日向君の姿が映った。


「日向君、おはよ〜!」


「夏綺、おはよ。」


日向君の挨拶に、クラスのみんなが笑顔で挨拶を返す。


いつもの光景。


普段の私なら、ずっと日向君を目で追うけれど…


今日は気まずくて、直ぐに視線を逸らした。