「えぇっ、日向君に抱きしめてもらったのっ!?」


一通り話し終えた途端、美波からは驚きの声があがる。


「ふぁぁっ、ちょっと!美波ってば声が大きいよ…!!」


慌てて周りを見回した私だけれど、色んな喋り声が飛び交っていて賑やかな教室内。


幸い、美波の声に反応した子はいないみたいだ。


「ちょっと、星愛ってば凄いじゃない〜!」


「あっ、いや……その、抱きしめてもらった…っていうか、倒れそうになった私を日向君が受け止めてくれたわけで……」


「要するに、抱きしめられた…ってことでしょ!なんだか運命的じゃない!羨ましいなぁ〜。」


「…………。」


そんな風に羨ましがられるような状況じゃなかったってば…。


あの時は、顔から火が吹き出そうなぐらい恥ずかしかったんだから…。


目をキラキラと輝かせて、はしゃいでいる美波に、苦笑いを浮かべた。