「明日、頑張ってね…。そっ、それじゃあ…またね。」


私は日向君に背を向けると、昇降口に向かって駆け出す。


沸騰しそうなほど熱い頬。


ドクンドクンと激しく動いている心臓は、今にも破裂してしまうんじゃないかと思うほどだ。


き、緊張したぁ…。


昇降口を出たところで立ち止まった私は、大きく深呼吸をした。


あの時…言えなかった本当の言葉、日向君に伝えられたし…


御守りも渡すことが出来て良かった…。


日向君、喜んでくれてたなぁ…。


さっきの日向君の笑顔を思い出して、嬉しくなってしまった。


あと一歩…。


来週、日向君と話す時には…この体中に駆け巡る想いを言葉にするんだ…。


入学式の日から、ずっとずっと膨らみ続ける“好き”を。


今度こそ、絶対に…。