「う、うん!大丈夫…。」


「そっか…!じゃあ、行こう?」


日向君に手を引かれて、ゆっくりと立ち上がる。


爽やかな笑顔を浮かべる日向君を見ながら、胸が甘く高鳴った。


花火も見終わったことだし、告白…しなくちゃ…。


一つ、深呼吸をする。


駅に向かって歩きだそうとした日向君を、引き留めた。


「日向君っ、あの…」


「ん…?」


こちらに振り向く日向君。


目が合って、ドキンッと心臓が跳ねた。


ひゃああ…。


すごく緊張してきちゃった…。


ドキドキからバクバクに変化する心臓の音。


手が今にも震えそうだ。


「椎名?」


不思議そうに私を見つめる日向君を直視できなくなってしまい、思わず視線を逸らす。


すると、花火を見終わった観客たちが、私たちをジロジロと見て行くのが目に映った。


か、かなり見られてる…。


そのことに、恥ずかしさが込み上げてきてしまった。