男の子に鋭い視線を向ける日向君は、今まで見たことないような怒りの表情を浮かべている。
背筋がゾクッとするほどだ。
「えっ、彼氏…!?確か、君…クラスの人たちと来ていて、はぐれてたんじゃ…」
突然のことに、戸惑う男の子。
私と日向君を交互に見た。
「とにかく、手を離せ。そして、俺たちから離れろよ。」
キッと睨み付ける日向君は、男の子の腕を掴む力を強める。
すると、男の子は痛そうに顔を歪めた。
「わ、分かったよ…!鬱陶しいヤツだな…。」
渋々と言った表情の男の子は私の手首を離す。
それと同時に、日向君も、掴んでいた男の子の腕を素っ気なく離した。
「ったく、思いっきり俺の腕…掴みやがって。手加減ってものを知らねぇのかよ…。」
チッと舌打ちをした男の子は、日向君を睨んだ後、私たちに背を向けてスタスタと足早に歩いて行ってしまった。
その姿を茫然と見ていた私。
ハッと我に返って、日向君に視線を移す。
そ、そうだ…。
日向君に、ちゃんとお礼…言わなくちゃ…。
「あのっ、日向君。ありが………ひゃっ!」
“ありがとう”と言おうとしたけれど、その途中で日向君に抱きしめられてしまった。


