「えっ…」


「帰る方向、一緒だからさ…。」


「う、うん…。」


私の家、日向君の帰り道の途中だもんね…。


家に帰るまで、まだドキドキが続きそう…。


胸元を軽く擦っていた時、私の携帯のバイブが震えた。


あ、電話だ…。


「日向君、ごめんね…。ちょっと電話が…」


「いいよいいよ、気にしないで?」


ニコッと優しく笑う日向君に、申し訳なさを感じながら電話に出る。


相手は…お母さんだった。


『もしもし、星愛?電車に乗って、ちょっと買い物行って来る…って言ってたけど、いつ頃帰ってくる?』


「えっと、これから帰ろうと思ってるよ…。でも、どうして?」


『今日は星愛の誕生日でしょ?せっかくだから、駅の近くのお店で美味しいビュッフェを食べながらお祝いしようと思って。混雑するお店だから早めに行こうか…って、お父さんと話してたところなの。』


なるほど…。


それで電話をくれたのか…。