はぁ……。


こんなにソワソワ、アタフタしてる私。


日向君の彼女になんか…見えるわけないよね…。


店員の男の子に“付き合っていて、デートしてるようにしか見えない”って言われただけで、舞い上がり過ぎだ…。


心がどこまでも沈んでいくような気がした。



「椎名…。なんだか、どんよりしてるけど…大丈夫?具合、悪い…?」


急に俯いたりしたから、日向君…心配してる。


おそるおそる顔を上げた私は、フルフルと小さく首を振った。



「ううん、具合悪いわけじゃないの…。私、なんだか落ち着きがないなぁ…と思って。ご、ごめんね…。」


もっと、自然な雰囲気でいることが出来たらいいのにな…。


キュッと唇を噛み締めると、日向君は優しく目を細めた。



「謝らなくていいよ。だって、クルクル変わる表情も仕草も、椎名の魅力の一つじゃん。」


「えっ…」


「俺、そんな椎名を…片時も目を離さずに見ていたい…って思うよ。」