カフェでランチ。


日向君とは、学校の空き教室でお昼ご飯を食べたりしてるけど、たくさんの人が居る場所で一緒に食べるのは初めて…。


な、なんか…緊張しちゃう。


ただでさえ、速い鼓動だというのに、ますますスピードが上がりそうだ。


「椎名、どうした?」


日向君は、固まってる私を不思議そうに見つめる。


その視線にも心がドクンッ…と過剰なぐらいに反応してしまった。



「あのっ、混んでるみたいだし、少し待つことになると思うけど、日向君は…それでもいい…?」


お昼時のためか、カフェの外にまで人の列が伸びている。


ご飯を食べるまでには時間が掛かりそうだ。


「俺は大丈夫。待てば待つほど、昼ご飯も美味しくなるし、それに……」


日向君は私の手を引いて、列の最後尾に並んだ。


「椎名と一緒なら、待ち時間だって…特別な時間になるから。」


とっ、特別…。


その言葉に頬が熱を帯びるのを感じた。


「え、えっと……そんなことないと思うけど…」


恥ずかしくてボソボソと小声になってしまう。


視線を泳がせる私に、日向君はフッと笑った。